日本人はどうしてスタジアムのごみを拾うんだろ?

 

 サッカーワールドカップ(ロシア杯)で

「日本人サポーターの試合後のマナーが素晴らしい

と世界中から賞賛の声を集めているらしいね。

 

 特にベルギー戦敗退後のごみ拾いは関心をひいたようで、

「彼らは敗者でないことを証明した」

「最高のゲストだ」

「負けても彼らの素晴らしい精神は無くならなかった」

「リスペクト。素晴らしい、涙が出そう」

「なぜ日本の街があんなに綺麗なのかがわかった。」

とお褒めの言葉。

 こういう声は、日本がW杯に初出場した1998年のフランス大会から続いているそうなんだ。

 前回2014年ブラジル大会でコートジボワールに負けたときにも賛辞がやまなかった。

本来怒りまくって設備を壊したり、

ものを投げつけたりする観客が渦巻くはずなのに、

日本のサポーターの取った行動は感動をもって賞賛された。

 

 実は、日本人がスポーツイベントで試合後にゴミ拾いを行ったのは

フランスワールドカップが初めてではないんだ。

 1994年広島開催のアジア競技大会では、およそ6万人の観客がいた競技場には

ゴミがほとんど落ちてなくて、当時は「神話とされた」といわれている。

すごいよね。

 

 ワールドカップロシア大会では、サポーターだけじゃなくて、

ベルギー戦敗退後にロッカールームをぴかぴかに掃除して去っていった

日本代表スタッフたち。

その行為はいろいろな国から注目を集めた。

ロッカールームとスタンドに何も残さなかったサッカーの日本代表とサポーター。

残さなかったからこそ「何かを残した」と言っていいね。

 

 一部、「あれは国を挙げたパフォーマンスなのか?」という声もあるらしい。

全くその意識がないかといえばウソになるけど、

僕たちの多くには、日本人の意識の奥底に根付いた「習慣」

の要素のほうが圧倒的に強いんじゃないかと思う。

 

 日本人には学校の掃除当番の経験があるよね。

この習慣は、他国には見られない特別なもので、

日本に留学した経験を持つ人たちからは非常に珍しい光景として映っているらしい。

 

アメリカ人からは、

アメリカの学校でもこれを取り入れられたら良いのに。」

アメリカと比べると日本の学校のシステムは本当に素晴らしいと感じる!」

 

また、こんな反応もあるよ。

「この学校には管理人がいないのか?なぜ生徒達に掃除をさせてるんだ?」

「なるほど子供達をいいように利用・搾取してる訳か。」

 ふふっ、笑える。

 

 僕たちには、自分の学校は自分できれいにするという誇り高い習慣がある。

 

本の学校は、子供が学校を綺麗にする。

海外の学校は、掃除を職業とする人が掃除をする。

 

 こうして大人になった僕たちは、

身の回りの掃除は自分でするのは当然のこととなり、

最終的に日本は国全体が比較的清潔になるんだよね。

 

 「来たときよりも美しく」。

これは僕たちの多くが小さい頃身に着けたモットー。

わざわざ自慢にする気もないけど、この美しい文化は大切にしていきたいね。

 

 江戸時代の終わりころ、日本に来た多くの外国人がこう言っていたらしい。

「人々のくらしは貧しいけれど、どの家もきれいにしている。日本人は清潔好きだ。」

こまめに洗濯をする。

おふろに入る。

掃除は毎日行う。

家の中だけでなく家の前の路地まできれいにして、

さらに、水をまいて清めたりする。

 

その場を綺麗に保つのは、私たち日本人のDNAに刻まれた魂なのかもしれないね。

 

ベルギーにおしいところで勝てなかったサムライブルー

優勝の瞬間の歓声とともに華やかに舞う紙吹雪を、

日本人選手とサポーターが欠片も残らず片付ける日が来ることを願って

これからも日本を応援していきたいね。